薄毛かどうかを判断する上で最も科学的かつ定量的な基準となるのが一日に抜ける髪の毛の本数ですが一般的に健康な成人であれば一日あたり約50本から100本の髪が自然に抜け落ちると言われておりこれはヘアサイクルという成長と退行と休止を繰り返す生理現象の一環であるためシャンプーの時に手に絡みつく数本の抜け毛を見て過剰に恐怖する必要はありませんが問題はその本数が明らかに平均値を逸脱して増加した場合や抜けた髪の毛の質に異常が見られる場合です。例えば季節の変わり目である秋口などは一時的に抜け毛が増えることがありますがそのような明確な理由がないにもかかわらず排水溝が一度のシャンプーで真っ黒になるほど詰まったり朝起きた時に枕元に数十本もの抜け毛が散乱していたり手櫛を通すだけでパラパラと絶え間なく髪が落ちてきたりする状態が長期間続くようであればそれは異常脱毛の基準に該当する可能性が高いと言えます。さらに本数以上に重要なのが抜け毛一本一本の形状と質であり抜けた髪の毛根部分を虫眼鏡やスマートフォンのマクロレンズなどで観察した際に毛根がマッチ棒のように丸く膨らんでいて白っぽい色をしているならばそれは成長期を全うして自然に抜け落ちた健康な抜け毛である証拠ですが逆に毛根が膨らんでおらずヒョロヒョロと細長く尖っていたり黒く変色していたりあるいは毛根そのものが付着していないように見える場合は栄養不足や血行不良そしてAGAの影響によって成長途中で強制的に引き抜かれた異常な脱毛であると判断できます。また抜けた髪の太さや長さにも注目すべきであり本来であれば太く長く成長してから抜けるはずの髪の中に明らかに細くて短い産毛のような毛が多く混じっている場合はヘアサイクルが短縮して髪が十分に育つ前に抜けてしまうという薄毛特有の現象が起きている決定的な証拠でありこれが全体の抜け毛の二割以上を占めるようになると外見的にも薄毛が目立つようになるという統計的なデータも存在します。加えて抜け毛の中にちぢれた毛や途中で折れた毛が多い場合は頭皮環境の悪化や物理的なダメージによる切れ毛の可能性もありこれも広義の意味での薄毛リスクを高める要因となります。したがって単に「最近抜け毛が多い気がする」という感覚的な不安にとどまらず実際に抜けた髪を集めてその本数を数え毛根の形や太さを観察するという客観的な分析を行うことこそが自分が薄毛の入り口に立っているのかそれとも正常な代謝の範囲内なのかを冷静に見極めるための最も確実な基準となるのです。
抜け毛の本数と毛根の形状から読み解く異常脱毛のサイン