私たちが日常会話で使う「薄毛」という言葉は非常に曖昧ですが医療の現場においてはAGA(男性型脱毛症)の進行度を客観的に評価するための明確な基準が存在しており世界的に最も広く用いられているのがハミルトン・ノーウッド分類と呼ばれる指標でありこれは薄毛の進行パターンを生え際の後退具合と頭頂部の薄さの組み合わせによってI型からVII型までの七段階(亜種を含めるとさらに細分化)に分類したものです。この基準によればI型は生え際の後退がほとんど見られない正常な状態ですがII型になると額の生え際がM字型に後退し始めIII型ではそのM字がさらに深くなり頭頂部にも薄毛が見られるようになりここからがいわゆる「薄毛」と医学的に診断されるラインとなります。さらに進行したIV型やV型では前頭部の後退と頭頂部の薄毛が繋がりかけVI型やVII型になると側頭部と後頭部にしか髪が残っていない状態となりこの分類図と自分の現在の状態を照らし合わせることで自分がどのステージにいるのかを客観的に把握することが可能となります。また日本人男性の場合は欧米人とは異なり頭頂部を中心に円形に薄くなる「O型」の進行パターンを示すことも多いため日本皮膚科学会が作成したガイドラインではハミルトン・ノーウッド分類を日本人向けに改変した高島分類なども参照されることがありこれらの医学的基準を用いることで主観的な悩みを客観的な疾患として捉え直すことができます。医師が診断を下す際には視診だけでなくダーモスコピーという拡大鏡を用いて軟毛の比率を測定し太い毛に対する細い毛の割合が20パーセントを超えている場合にAGAと診断するという数値的な基準も設けられておりこれにより単なる加齢による変化なのか治療が必要な疾患なのかを厳密に区別しています。したがって自分が薄毛かどうか悩んだ場合にはネット上の情報に踊らされるのではなく皮膚科専門医を受診しこれらの医学的基準に基づいたプロフェッショナルな診断を受けることが最も確実な答えを得る方法であり自分の進行度(ステージ)を知ることは適切な治療法を選択するための羅針盤となるのです。
医学的ガイドラインに基づくAGA進行度の分類基準