薄毛に悩む人の体を触ると驚くほど高い確率で首や肩がガチガチに凝り固まっていることに気づかされますがこれは単なる筋肉疲労ではなく頭皮への血流を物理的に遮断するダムのような役割を果たしてしまっている極めて危険な状態です。心臓から送り出された血液は首を通って頭部へと向かいますが首や肩の僧帽筋や胸鎖乳突筋が緊張して硬くなると血管が圧迫され血液の通り道が狭くなるためどれだけ心臓が頑張ってポンプ活動を行っても肝心の頭頂部にはチョロチョロとした血液しか届かず毛根は慢性的な栄養失調に陥ってしまいます。特に現代人はスマホ首やストレートネックになりやすく頭の重さを首の筋肉だけで支え続ける姿勢が長時間続くため後頭部から頭頂部にかけての皮膚が下方向へと引っ張られパツパツに突っ張ってしまい毛細血管が押し潰されて消失するゴースト血管化が進行しやすくなっています。この状態を解消するために有効なのが運動の前後に限らず仕事の合間にも行える首と肩のストレッチであり首をゆっくりと大きく回したり肩甲骨を寄せるように胸を開いたりすることで筋肉の緊張を解き血管の圧迫を解放することができます。さらに効果的なのが「逆立ち」や「前屈」といった頭を心臓より低い位置にするポーズであり重力を利用して強制的に頭部に血液を送り込むことで普段血流が不足しがちな頭頂部の毛細血管に圧力をかけ血管を拡張させるトレーニングとなりますがこれを行う際は急に起き上がると立ちくらみを起こすためゆっくりと動作を行うことが大切です。またヨガの「ダウンドッグ(下向きの犬のポーズ)」や「ウサギのポーズ」などは全身の血行を促進しながら頭部の血流を集中的に高めることができるため育毛には最適の運動と言えます。首や肩のコリが取れて軽くなると同時に頭皮が柔らかく動きやすくなる感覚が得られれば血流が回復している証拠であり日々のストレッチ習慣がダムを決壊させ豊かな水流を頭皮という大地に呼び戻すための鍵となるのです。