かつて私は一日に数十回も鏡を見ては生え際の後退具合を確認しそのたびに絶望的な気分に襲われるという日々を送っていましたが今振り返ればその行為こそが私の髪を蝕んでいた最大の元凶であったと確信を持って言えます。薄毛を気にしすぎるあまり洗面所の鏡だけでなくショーウィンドウに映る自分や電車の窓ガラスに映る自分の姿までチェックせずにはいられないという強迫的な行動は精神医学的には身体醜形障害に近い心理状態であり自分の欠点ばかりを拡大鏡で見るかのように意識しすぎることで現実以上に状況を悪く認識してしまう認知の歪みを生み出します。この「また髪が減ったかもしれない」という強烈な不安と恐怖は脳にとって猛獣に襲われているのと同等のストレス反応を引き起こしその瞬間に全身の血管がキュッと収縮して冷や汗が出るような感覚に陥りますがこれが毎日数十回も繰り返されれば毛根が窒息状態になるのは火を見るよりも明らかです。ある時信頼できる医師から「髪の毛は一日で劇的に変わるものではないから鏡を見るのは朝のセットの時だけにしてみなさい」とアドバイスを受け半信半疑で実践してみたところ最初は不安で仕方ありませんでしたが一週間もすると不思議と気持ちが軽くなり常に頭につきまとっていた重苦しい霧が晴れるような感覚を覚えました。精神的なプレッシャーから解放されたことで睡眠の質が劇的に向上し夜ぐっすりと眠れるようになった結果成長ホルモンの分泌が正常化し数ヶ月後にはあれほど悩んでいた抜け毛が目に見えて減少し産毛が生えてきた時の感動は今でも忘れられません。薄毛を治すために必死で鏡を見ていた私が鏡を見ないことで救われたという皮肉な体験はメンタルコントロールがいかに身体的な症状に影響を及ぼすかを物語っており気にしすぎることをやめるという「しない努力」こそが時には何をするよりも効果的な解決策になるという真理を私たちに教えてくれています。悩みとは「こうあるべきだ」という理想と「こうである」という現実のギャップから生まれるものであり現実をありのままに受け入れる受容の精神こそが最強のストレスケアであり究極の薄毛対策(=悩み対策)なのかもしれません。
鏡を見る回数を減らすことが育毛への近道である理由