薄毛の原因を正しく理解するためにはまず男性と女性でそのメカニズムが大きく異なることを知る必要がありますが一般的に男性の薄毛の多くはAGAと呼ばれる男性型脱毛症でありこれは男性ホルモンの一種であるテストステロンが還元酵素と結びつくことでジヒドロテストステロンという物質に変化しそれが毛乳頭細胞にある受容体と結合してヘアサイクルを乱すことが直接的な原因となっています。一方で女性の薄毛はFAGAやびまん性脱毛症と呼ばれるものが多くその原因は加齢による女性ホルモンの減少や過度なダイエットによる栄養不足そして日々のストレスなど多岐にわたり特定のホルモンだけが原因ではないため生活習慣全体を見直す必要があるのです。また男女共通の原因として挙げられるのが頭皮の血行不良であり睡眠不足や運動不足が続くと頭皮に十分な栄養が行き渡らなくなり髪が細く弱くなってしまうため薄毛の改善には単に育毛剤を使うだけでなく食事や睡眠といったライフスタイルそのものを根本から見直すことが不可欠だと言えます。鏡を見るたびに広がる分け目に溜息をついていた私が薄毛の原因を本気で突き止めようと決心したのは三十代半ばのことでしたが最初は市販のシャンプーを変えたり高価な美容液を試したりするばかりで全く効果が出ず途方に暮れていました。ある日意を決して専門のクリニックを訪れてカウンセリングを受けたところ医師から指摘されたのは遺伝でも年齢でもなく長年続けていた極端な糖質制限ダイエットと慢性的な睡眠不足でした。栄養が足りていない状態で体が生命維持に必須ではない髪の毛にエネルギーを回すはずがないという医師の言葉は目から鱗が落ちる思いでありそれからは食事の内容をタンパク質中心に見直し深夜のスマホをやめて質の高い睡眠をとるように心がけた結果半年ほどで少しずつ髪にコシが戻ってくるのを実感できたのです。薄毛の原因は一つではなく自分の生活の中に潜んでいることに気づくことが解決への第一歩なのだと身をもって知りました。