昔から「神経質な人はハゲる」「悩み多き人は髪が薄くなる」といった性格と薄毛の関連性を示す俗説がまことしやかに語られてきましたが、現代医学の観点からこの噂を検証すると、あながち迷信とは言い切れない科学的なメカニズムが見えてきます。性格が細かい、あるいは几帳面で完璧主義な人は、日々の些細な出来事に対しても過剰に反応し、常に精神的な緊張状態にある傾向が強いですが、この「慢性的なストレス状態」こそが薄毛へのトリガーとなるのです。人間はストレスを感じると自律神経の交感神経が活発になり、戦うための準備として心拍数を上げ筋肉を緊張させますが、同時に末梢血管を収縮させてしまいます。頭皮は心臓から遠く重力に逆らって血液を送らなければならない最果ての地にあるため、血管収縮の影響をモロに受けやすく、血流が途絶えるといわば「兵糧攻め」にあった毛根は栄養失調に陥り、成長を止めて抜け落ちてしまいます。また、ストレスに対抗するために副腎皮質からコルチゾールというホルモンが分泌されますが、このホルモンの生成過程で亜鉛やビタミンCといった髪の成長に不可欠な栄養素が大量に浪費されてしまうため、食事で摂った栄養が髪まで回ってこないという「栄養の横取り現象」が体内で発生します。さらに、細かいことを気にする人は、抜け毛が少し増えただけでも「ハゲてきたのではないか」と過剰に心配し、鏡を何度もチェックしたり、高価な育毛剤を乱用したりして、その不安自体が新たなストレス源となる「薄毛スパイラル」に陥りやすいという心理的な側面もあります。逆に、楽観的で「なんとかなるさ」と考える性格の人は、副交感神経が優位な時間が長く、血管が拡張して血流が良く、ホルモンバランスも安定しているため、結果として髪が育ちやすい環境にあると言えます。もちろん性格を変えることは容易ではありませんが、自分の性格が髪に悪影響を与えている可能性があると自覚し、意識的にリラックスする時間を作ったり、「まあいいか」と妥協する勇気を持ったりすることは、メンタルヘルスだけでなく育毛対策としても非常に有効な戦略となるのです。
性格が細かい人はハゲるという噂の科学的根拠